2019年02月06日

ジャン・ジロー、あるいは、メビウス

ジャン・ジロー(Jean Giraud)は、フランス人SF作家で、
’メビウス(Moebius)’とは、彼が漫画を描くときに使われる別名。

その心理状態を彼はこのように表現している。

”Going from Giraud to Moebius, I twisted the strip; changed dimensions. I was the same and yet someone else. Moebius is the result of my duality.”

ジローからメビウスに移行するとき、私は流れを曲げて、次元を変化させる。私は私であり、同時に別の誰かでもある。つまり、メビウスは自己二面性の結果なのだ。

たとえば、彼の代表作と言っていい「アルザック」は、
宮崎駿さんの「風の谷のナウシカ」の元になっている。

【原書】メビウス「アルザック」紹介記事

その不思議な世界観は、淡々と静かなのだが、心に迫ってくる。
ラベル:英語
posted by kazoo at 14:10| Comment(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月05日

サリー・ガーデン

アイルランドに伝わる民謡「Down By The Salley Gardens」は、
アイルランドの詩人イェイツ(William Butler Yeats)が記録を残した。

Down by the salley gardens my love and I did meet.
She passed the salley gardens with little snow-white feet.

She bid me take love easy, as the leaves grow on the tree.
But I, being young and foolish, with her would not agree.

In a field by the river my love and I did stand.
And on my leaning shoulder she laid her snow-white hand.

She bid me take life easy, as the grass grows on the weirs.
But I was young and foolish, and now I am full of tears.

この歌の日本語タイトルには、
「Salley」を「柳(やなぎ)」として、
「柳の庭」としているものもあるが、
個人的には、地名や公園名だと考えたい。

詩の中で好きなところは、
「もっと気楽に、恋や人生を生きたらいい」
と彼女がアドバイスをしてくれるのに、
若くて、頑なだった自分は、素直にうなずけなかった。
それを思い出すと今でも泣いてしまうところもいい。

ちなみに、この曲の日本語版に「家族の風景」がある。
こちらの歌詞の方は、穏やかな家族への愛情が歌われていて、
また違った良さがある。

posted by kazoo at 14:11| Comment(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月15日

フィリップ・マーロウ

世界中で愛される’ハードボイルド’な’私立探偵’と言えば、フィリップ・マーロウ(Philip Marlowe)ではないだろうか。彼は、アメリカのミステリー作家レイモンド・チャンドラーによって生み出されたキャラクターである。

女性と酒が好きな私立探偵マーロウは、普段、ユーモアとだらしなさ(?)でシリアスな一面を覆っているのであるが、ごくまれに見せるダークな顔は、ちょっと怖い・・・。一般的には、反骨精神に満ちたタフなイメージが強いと思うのだが、僕が惹きつけられるのは、彼が心に抱えている「虚無感」である。

シリーズ中では名作として名高い「The Long Goodbye(長いお別れ)」と「The Big Sleep(大いなる眠り)」より、その辺を語ったセリフを抜粋してみたい。

星と星の間にある空間くらい虚ろで空しいんだ。
"I was as hollow and empty as the spaces between stars.", Raymond Chandler

かかしのポケット並みに空っぽの人生さ。
"I was as empty of life as a scarecrow's pockets.", Raymond Chandler

なかなか、シャレた表現で、ついついニヤリとしてしまうのだ。

ちなみに、日本語訳版で有名なマーロウのセリフ
「タフでなければ生きていけない。やさしくなければ生きる資格がない。」
に関しての個人的な意見は、原文では'hard'となっている部分に「タフ」という言葉を使った翻訳者のセンスが素敵だと思う。
posted by kazoo at 17:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月06日

インジャン・ジョー

インジャン・ジョー(Injun Joe)は、マーク・トウェイン「トム・ソーヤの冒険」に出てくる冷酷な悪人で、町中の人から恐れられている。この「インジャンジョー」という名前には、なにか恐怖感を与える独特な響きがあり、たとえば、横溝正史「犬神家の一族」に登場する”スケキヨ”という音感にも似た怖さがある。

でも、このように圧倒的な迫力を持つ悪役がいることで、物語にリアルな臨場感や展開が生まれる。ピクニックに行って洞窟の中で迷ったトムとベッキーがジョーを見かけたときの恐怖感たるや・・・。

ちなみに、90年代に「Tom and Huck」というタイトルで映画化もされていて、ちょっぴり笑えるシーンもあった。それは、トムとハックが、ジョーに遭遇した時の会話である。

Injun Joe: I know you. You're Pat Finn's boy... Blueberry?
「おまえを知ってるぞ。たしか、パット・フィンの息子の・・・ブルーベリーだったかな?」
Huck Finn: Huckleberry!!
「ハックルベリーだ!」

とても怖い悪役が、ときどき、とぼけたことを言うと、ちょっと笑える。
posted by kazoo at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月17日

オズのカカシ

「バッター、カカシだよ!」
は、野球で打席に立つバッターに使う野次である。
つまり、何もしないで立っているだけということだ。

鳥や獣から畑の穀物を守るために、畑に立てられる人形は、わらで作られるのが一般的で、日本では、「へのへのもへじ」の顔と一本足などの特徴がある。

英語では、「scarecrow」。
その言葉通り、カラスなどの鳥を驚かせるのが目的なのだが、
学習能力の高いカラスには、あまり効果を発揮しないようである・・・。

また、「オズの魔法使い」にも登場していて、
「脳」のないカカシは、「心」のないブリキのきこりと「勇気」のないライオンと共に、主人公の少女ドロシーの旅に加わるのである。

そのカカシのセリフに面白いのがあって、脳がないのにどうやって話ができるのか?というドロシーの問いに、彼はこう答えている。

「さあね。でも、何も考えない人間にも、びっくりするくらいに、よくしゃべるヤツもいるんだろ?」
"I don't know... But some people without brains do an awful lot of talking... don't they? ", Scarecrow

なかなか、カカシも上手いこと言うじゃないか。まったくだ。
posted by kazoo at 17:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月16日

江戸川乱歩とエドガー・アラン・ポー

子供の頃、本を読む習慣の始まりが、江戸川乱歩だった人は多のではないだろうか。あのちょっと暗い雰囲気の冒険活劇には、多感な少年少女を惹きつける何かがある。明智小五郎、少年探偵団、怪人二十面相、妖怪博士、黄金仮面、サーカス団、巨人、魔人、魔術師・・・などなど、夢のキーワードでいっぱいだ。

僕も乱歩の面白さを知ってからは、学校の図書室に入りびたりで、さらに、「自分で物語を作れ」という国語の課題では、迷うことなく推理小説を選んだ。
→ 江戸川乱歩の書籍紹介の記事へ

そして、そのペンネーム「エドガワランポ」の基になったのが、乱歩が尊敬したアメリカの作家エドガー・アラン・ポーである。とくに、ポーの怪奇小説は有名だが、彼のミステリー系作品は後のコナン・ドイルに、幻想小説はヴェルヌやウェルズのSF冒険小説に影響を与えている。

受験勉強なんかの英語の教材で「アッシャー家の崩壊(The Fall of the House of Usher)」をみかけたことがあるが、一番、これが有名な作品ではないだろうか。

さて。

江戸川乱歩の名言「うつし世はゆめ、よるの夢こそまこと」は、彼の創作活動の精神をよくあらわした言葉だと思うのであるが、エドガー・アラン・ポーにも似た言葉がある。

"All that we see or seem is but a dream within a dream.", Edgar Allan Poe
「我々が見たり、思ったりすることすべては、夢の中の、また、夢に過ぎない。」

この世が夢ということは、悩みごとも苦しみも、みんな幻に過ぎないのだよ、諸君。
posted by kazoo at 17:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月08日

ミヒャエル・エンデ「モモ」

山積みされた仕事の処理に追われ、
間近に迫った締め切りに追われ、
クレームや人間関係なんかにも追われて、
ギリギリの状況になったときに限って、
ふと立ち止まりたくなる衝動が起こる。

そんなときに浮かんでくるのが、
モジャモジャ頭の少女「モモ」じゃないだろうか?

ミヒャエル・エンデの「モモ」は、
大人にも人気の高い児童文学である。
(ちなみに、作者エンデは親日家としても有名)
→ 「モモ」書籍紹介記事

”灰色の男”たちによって「時間」が盗まれた結果、
人々の心から「余裕」や「あたたかさ」が消えてしまう。
そんな中、史上最高の”聞き上手”モモが、
耳を傾けた人の自分自身を取り戻させるのだ。

作品の中で好きなセリフは、
道路掃除を生業にしているがベッポじいさんが、とんでもなく長い道路を掃除しなければならないときの心構えを伝えた言葉、

"You must never think of the whole street at once, understand? You must only concentrate on the next step, the next breath, the next stroke of the broom, and the next, and the next. Nothing else."

一度に道路全体のことを考えてはいけないよ、わかった? ただ、次の一歩、次の一呼吸、次の一掃き、つまり、次のことだけに集中するんだよ。他のことは考えない。

That way you enjoy your work, which is important, because then you make a good job of it. And that's how it ought to be.", Michael Ende

そんなふうに仕事を楽しむんだ。それが大事なんだよ。そうすれば、仕事もうまく進む。そんなふうにならないとね。

・・・なるほどね、じいさん、いいこと言うよ。
ぼーっと、そんなことを思い出していると、
「なにサボってんだ!」という上司の怒鳴り声が聞こえてくる。

そしてまた、慌ただしい日常に戻るのである・・・。
posted by kazoo at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月24日

アダムとイブの日記

マーク・トウェインの「アダムとイブの日記」は、
トム・ソーヤーやハックルベリー・フィンとは、
また一味違う良さがある。

最初の人類であるアダムとイブは、
当初、別々の生き物としてお互いを観察しているのであるが、
泣いたり、笑ったりしながら交流を深めていく。

ずっとイブを煙たがっていたアダムも、だんだん心を開いていく。

「ここ数年を過ごしてきて、私は、イブについて誤解していたことが分かった。つまり、彼女のいない楽園で生きるよりも、楽園の外であっても彼女と共に生きる方がずっとましだということだ。」
"After all these years, I see that I was mistaken about Eve in the beginning; it is better to live outside the Garden with her than inside it without her."

イブに先立たれたアダムも年老いて、本当の答えに到達する。
そして、イブの墓の前で、こうつぶやいたのである。

彼女のいたところ、そこが楽園であった。」
"Wheresoever she was, there was Eden."

→ 原書「アダムとイブの日記」紹介のページ
posted by kazoo at 17:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月22日

スナフキン

ムーミン・シリーズの中でも、もっとも人気の高いキャラクターである「スナフキン」の名は英語訳名である。また、原作のフィンランド語では、どちらかというと「理屈っぽい変わり者」といったイメージで描かれている。

一般的に知られるスナフキンは、旅と音楽を愛する物静かな好青年である。また、彼が歌う「おさびし山の唄」は、ちょっぴりさびしくて、夕日が似合いそうだ。

「僕は、いたるところで生きている」スナフキンはそう答えて、たき火にコーヒーポットをかけた。「今日は、たまたまここにいるだけさ。明日は、別の場所にいるだろう。気の向くままにさまよって、すてきな場所を見つけたら、そこにテントを張って、ハーモニカを吹くんだ。」
"I live all over the place" answered Snufkin, and put the coffee pot on the fire. "Today I happen to be here. Tomorrow I will be somewhere else. I wander about as I please. When I find a place I like, I pitch my tent and play my harmonica."

多くの人を惹きつける彼の哲学や名言はたくさんあるけれど、そのうちのひとつを紹介したい。

「今日という日に特別なことをしてみよう。そうすると、きっと輝く日になるはずだ。」
“Today we must do something very special, for it will be a glorious day.”, Snufkin
posted by kazoo at 17:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月18日

モービー・ディック

日本では「白鯨」として知られる
「モービー・ディック(Moby-Dick)」とは、
狂暴な白いマッコウクジラである。

そして、それを執拗に追い続ける男が、
エイハブ船長(Ahab)だ。
かつて彼は、モービー・ディックに片足を食いちぎられ、
その復讐に人生を捧げているのである。
ちなみに、彼の義足は、クジラのあごの骨で作られている。

"Call me Ishmael."
「イシュマエルと呼んでくれ」で始まるこの物語は、
善と悪の戦いをテーマにしていると言われていて、
”クジラと人間、どちらが善で、どちらが悪なのか”論争でも有名。

個人的には、善悪よりも、白鯨の圧倒的な存在感に魅かれるのだが・・・。

作者であるハーマン・メルヴィルは、こう語っている。

“Real strength never impairs beauty or harmony, but it often bestows it, and in everything imposingly beautiful, strength has much to do with the magic.”
「本物の強さとは、決して美と調和を損なうことがなく、逆に、多くはそれを与えるのであり、圧倒的に美しいことにおいて、強さは奇跡も起こす。」

どこかの競泳の選手が言った
「一番きれいなフォームが、一番早いフォーム」
という言葉を思い出した。
posted by kazoo at 17:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 文学、登場キャラクター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

本1980年代に子供時代、1990年代に青春時代を過ごした。
shirakazooココログヘ


本楽しい情報満載!
「おもしろぐ」へ


本転職、起業、海外留学に関する情報
「繁忙期のブログ」へ