2021年09月26日

泣いた頼朝

長らく続いた”武士の世”の始まりを生み出した源頼朝は、容姿が良くて、頭脳も明晰だったという(女性によくもてた!)。

一方で、のちに弟の源義経や従兄弟の木曾義仲を殺害するなど、自分を脅かすものは身内さえも消してしまう冷酷で非情な人物としても知られる。頭が切れすぎる彼は、すべて独りで決断しなければならず、だんだん、他の人間が信用できなくなってしまったのかもしれない。

でも、父親の義朝が’平治の乱’で敗れて亡くなり、母親や兄弟たちと引き離され、都から遠い地で”負けた家の人間”として育ったのだ。孤独な幼少時代が人格形成に影響を及ぼしたとしても仕方なかろう。

そんな頼朝が涙を流した記録がある。吾妻鏡に「御落涙」に続いて「数行」とあるため、何度も泣いたのだと。

それは、墓の前だった。
その墓は、佐奈田与一という名の武将とその忠実な部下たちのもの。「源氏再興」を掲げて挙兵した頼朝が、その第一歩を踏み出すきっかけとなった石橋山の戦いで、命を投げ出して先陣を切った武士たちだ。

日本の頂点に立った頼朝は、その幼少時代同様に独りだった。少しでも気を抜けば、自分が追い落とされるかもしれないぎりぎりの状況の中で、唯一信頼できたのは、自分の夢にかけて死んでくれた友だけだったのではないか。
ラベル:源頼朝
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2020年11月25日

なんて豪華な戦国時代

群雄が割拠した戦国時代には、才能を持った人材があふれていた。

戦乱の日本を最初に統一しそうだった織田信長。

彼を支える部下たちも大器ばかりで、

関東方面軍を指揮した滝川一益、北条氏と対峙。
北陸方面軍を指揮した柴田勝家、上杉氏と対峙。
大阪方面軍を指揮した佐久間信盛、本願寺と対峙。
四国方面軍を指揮した織田信孝、長宗我部氏と対峙。
中国方面軍を指揮した羽柴秀吉、毛利氏と対峙。
幾内方面軍を指揮した明智光秀、信長の懐刀。

など、すごい面子だ。
そんな彼らにも有能な部下がいて、その部下にも・・・

ほかにも、信長の同盟者だった徳川家康。
その彼らを恐れさせていた武田信玄。

同じ時代には、九州でも、東北でも、強豪武将たちが、それぞれ、しのぎを削っていたのだ。

なんて時代だ!

戦国時代を考えたとき、厳しい時代や環境が人間をつくるんだろうナと思ってしまう。
・・・でも、平和な時代にだって育つ人材は多いはずさ。
ラベル:戦国時代
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2020年04月29日

三国志の英語「哀愁の司馬懿」

三国時代、魏(Cao Wei)に仕えた司馬懿(Sima Yi)に、ちょっと哀愁を感じてしまう。

まず、そのスタート。
当時最強だった曹操(Cao Cao)に彼の能力の高さがバレてしまい、何度も出仕するように迫られた。はじめは仮病を使ったりして出仕を拒んでいたのだが、とうとう断り切れずにしかたなく部下となった。

その曹操から、背中を向けたまま顔だけこちらに向けるよう指示され、その様を「狼顧の相(lang gu)」と呼ばれた。つまり、狼は首を180度回転させることができるからだ。
a wolf turning its head 180 degrees to look behind

彼の軍人としての真骨頂は、その機動力だった。
孟達(Meng Da)の裏切りを予測して、宛から上庸までを最速で駆けた話は有名である。

だが、
"A dead Zhuge scares away a living Zhongda."
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」

からも分かるように、いつも蜀の諸葛亮(Zhuge Liang)にかなわなかった人間として描かれてしまうんだけど、司馬懿自身もすごい才能を持っていた。にもかかわらず、決して自分を大きく見せようとせず、じっと耐えていける精神力も持っていた。

それから、もっとも彼に好感を覚えるのは、戦争中、ライバルだった諸葛亮が亡くなったため退却した蜀軍の陣跡を見て出たことば。
「諸葛亮は、天才だった・・・」
ラベル:三国志 英語
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2020年03月18日

三国志の英語「徐栄」

あまり目立たない地味な人間こそ、なかなか手ごわい。

有名な三国時代にも、華々しい英雄や猛将はたくさんいただろう。
だが、本当に強かった武将は、あまり記録に残されなかったのではないか?

三国志(演義)では、あまり活躍を描かれなかったけれど、
史実にも登場する徐栄(Xu Rong)という将軍も強かった。

後漢時代から、董卓(Dong Zhuo)に仕えていた武将で、
若くて勢いのあった時代の曹操(Cao Cao)や孫堅(Sun Jian)
たちを圧倒的な力の差で破っているのだ。

興味深いエピソードとして、
友人だった公孫度(Gongsun Du)が失職したとき、
遼東地方の太守(管理者)に推薦してやったところ。

仕事をもらった公孫度が治めていた州は、
のちに中国が三つの大国に分かれていた時代も、
したたかに独立勢力として存在しつづけた。

結果として、徐栄はそのきっかけを作ったとも言える。

ラベル:三国志 英語
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2019年03月13日

オブジェクト指向

むかし、自分がシステム開発の末端にいたころ。
どうしても、コンピュータ関連の学習をしなければならなかった。

あまり、積極的ではなかったけれど、今でも覚えているのが、
”オブジェクト指向”という考え方だった。

ちなみに、英語では、
Object-Oriented Programming
「’もの’化したプログラミング」

正直、その概念を正確に理解したかどうかは、分からない。
が、ぼんやりとした僕のとらえ方は、

プログラミングも一つの部品(パーツ)として扱い、
様々な役割を持つ部品を組み立てて全体をつくる。

どこかで不具合が起きても、その部分だけを他の物に変える。

ひとつひとつは、別々の人間が生み出したものでもいいから、
最初に作った人じゃなくても、誰もが容易に修正できる。

と。

これは、社会の在り方にも通じそうだね。

つまり、他人も信頼して、任せること。
それが重要なのかもしれない。
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2019年02月16日

火星探査機オポチュニティ号にささぐ

先日、アメリカ航空宇宙局は、こう発表した。

"NASA's Opportunity Mars rover mission is complete after 15 years on Mars."
NASA火星探査機「オポチュニティ」号は、15年に及んだ火星での任務を完了。

・・・我ら地球人の未来のために、

コツコツと火星の情報を送り続けたオポチュニティは、

「赤い悪魔」とも呼ばれる火星の砂嵐の中、

黙々と孤独な作業を続けてきたのだ。

長く、戦い続けてきた彼らは、砂の中で交信を絶った。

火星の嵐を克服するという課題を我らに残して・・・。
ラベル:NASA 火星
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2018年08月11日

バビロンの空中庭園

古代の都市バビロンにあったという「空中庭園」。

古代ギリシアで記された世界七不思議のひとつで、
巨大な建物の屋上に造られた庭園とされる。

そのロマンあふれる名と同じように、造られた理由も素敵で、
新バビロニア帝国の王ネブカドネザル2世(Nebuchadnezzar II)が、異国から嫁に来た王妃のために、その故郷の山々をイメージして造らせた。

さて、「バビロンの空中庭園」英語名では
「The Hanging Gardens of Babylon」。

その名称から、「flying」「air」「sky」などを使いたいけれど、
一応、「吊り下がった」を意味する「hang」が使われている。

”空中に浮かぶ庭園”という名も神秘的だけど、
なぜか、”バビロン”という言葉にも惹かれてしまうのだ。
ラベル:バビロン
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2018年02月11日

仮想通貨

最近よく耳にするようになった「仮想通貨」。

もともとは、インターネット上で(お金のように)やりとりされる数字にすぎなかったが、今では、実際に価値を持ち、現実の商品やサービスに使用できるようになった。個人的には、経済が不安定な国の国民なんかが、自国の通貨を信用しないで、資産を仮想通貨で保持しているのが印象に強い。

さて、英語表現では、まず、
virtual currency「仮想通貨」を思い浮かべるが、ほかにも、
digital currency「電子通貨」
alternative currency「代用通貨」などがある。

中でも、もっとも有名になったのが、
Cryptocurrency「暗号化された通貨」だろう。
どこかの国や機関で管理されるのではなく、世界中のコンピュータネットワーク上に分散して管理されているのが、とても未来的だ。

だが、貯金箱から出したお札や硬貨を、ニタつきながらなんどもかぞえる喜びも捨てがたいのだ。
ラベル:英語 仮想通貨
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2015年02月07日

三国志の英語「天下三分の計」

三国時代の基になったとも言える「天下三分の計」は、河北から中原を制圧して強大になった曹操(Cao Cao)に対抗する策として、諸葛亮(Zhuge Liang)が劉備(Liu Bei)に語ったとされる。ただし、正式には、語られた場所の地名から「隆中策」と呼ばれる。

同じく、英語も、「The Longzhong Plan」である。

面白いのが、孫権(Sun Quan)陣営で周瑜(Zhou Yu)が活躍していた頃の基本戦略が「天下二分の計」であり、この作戦を構築したのが、”元海賊”で知られる甘寧(Gan Ning)だったところだ。

昔から、”三すくみ”とも言われるように、三つのものが対峙すると事態が止まってしまうのだろうか?
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2014年07月07日

三国志の英語「白眉」

頭脳明晰で、優秀な人のことを「白眉」と呼ぶけれど、その語源とされるのが三国時代に蜀に仕えた馬良(Ma Liang)である。荊州の襄陽では名家として名高い「馬」家には、秀才として知られる五兄弟がいたのだが、その中でも馬良は最も秀でていた。そして、なぜか、彼は若いころから眉毛が真っ白だったという。

"White Brows is the best among the five Ma brothers."
(英語でも、文字通り「白い眉」である)

彼の有能ぶりは、ほぼすべての人材が劉備と共に益州攻略に出発した後も、前線を抱えている荊州の留守を任されていたことでも分かるだろう。さらに、蜀の丞相・諸葛亮とは、義兄弟だったとも言われている。ちなみに、弟の馬謖(Ma Su)は、諸葛亮からも軍人として評価が高かったのだが、魏との街亭の戦いで判断を誤ってしまい敗戦の原因を作ってしまった。

・・・そういえば、自分が小学生だったときに、髪の毛に白髪の多い友人がいたけれど、やっぱり彼は「漢字博士」と呼ばれていた。


ラベル:三国志 馬良 英語
posted by kazoo at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史、サイエンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

本1980年代に子供時代、1990年代に青春時代を過ごした。
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