2006年01月07日

トロントでダフ屋

日本のコンサートや試合会場にダフ屋がいるように
北米にもダフ屋はいた。

ご存知の通り、僕のいたトロントにはスカイドームという開閉式の球場がある。
そこは、TORONTO BLUE JAYSの本拠地でもある。
よくダフ屋がチケットを売っていた。
やっぱりだみ声で「チケットあるよ〜!」ってかんじでね。
(ちなみに英語では、かれらを”Sculper”と呼ぶ。)

僕らは、自分達のショーで使う面白い映像が欲しかった。

そこで仲間達とダフ屋が野球の試合のチケットを売ってる隣で
「マイクのうちの夫婦喧嘩のチケット100ドル!!」とか
「老人クラブ喉自慢大会のチケット売ります!」などと叫んでいた。
ちなみに僕は、日本語で巨人戦のチケットを叫んだ。
営業妨害なんかは恐れなかった。
なぜなら彼らもまっとうな商売ではないので怒るに怒れないからだ。

グローバル・スタンダードは上層部ばかりじゃない。
社会の底辺や裏側にだって存在するんだよ。

最後に日本語の「ダフ屋」の由来は”札(ふだ)”を逆さから読んでってことらしい。
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2005年12月13日

トロントのハヤブサ

トロントの高層ビルにハヤブサの夫婦が巣を作った。
どこから来たのか定かではないが、
都会のビル群は山脈にある高い木々のようにそびえる。
下界を見下ろし、ツバメやすずめを確認すると急降下して捕らえる。

やがて卵を産み、子供ができた。

夫婦は今まで以上に忙しくなった。
留守を守るほうは、天敵と戦い。
狩りに出るほうは、必ず獲物を捕らえなければならない。

ある日、狩りに出た夫は帰ってこなかった。
その次の日も、ずっと。
それからまもなくして、夫の死体が見つかった。
交通量の多い道路で車とぶつかったようだった。

・・・月日は流れ、新たなハヤブサがトロントに現れた。
ここで生まれた子供たちのようだった。

帰ってきたのだ。そんな話を聞いた。
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2005年12月11日

1995年のクリスマス

僕がトロントに住み始めてはじめてのクリスマスはたいへんだった。
日本と違ってクリスマスは家族で過ごす習慣らしい。
店はすべて閉まってしまう。マックでさえ夕方までしか開いてないのだ。

僕はそんな事情は知らなかったので、スーパーなどで食料を買いだめしなかった。
しんしんと雪の降る街を夕食を求めて歩いた。まるで都会の真ん中で漂流しているようだった。街路樹に飾られたイルミネーションすらいまいましく感じられたものだ。
結局、あまり宗教的に関係のない中国移民の経営するコンビニやレストランを見つけて、助かったと思う。

コンビニなどがなかった時代の日本の正月もこんな感じだったのだろうか?

諸君。
異国を旅する前は、前もって文化の勉強をしておくことを薦める。
イースターやクリスマスの旅行ははずしたほうがよさそうだ。
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2005年11月26日

トロントで裁判を見た

トロントに住んでいたとき、刑事裁判を見に行ったことがある。

シティーホール(市庁舎)とイートン・センター(でっかいショッピングモール)の間にある時計台のある建物だ。そのとき、いっしょに行った友人は実験精神に富んだやつで小型ピストルのレプリカみたいなキーホルダーをコートのポッケにしまって入場した。するとやっぱり金属探知でひっかかりポッケからそのキーホルダーを出した。そのときである、いっせいにセキュリティーや関係者たちに取り押さえられてしまった。僕は他人のふりを貫き通したけどね手(チョキ)

その日見たのは、強盗か何かで起訴されている人だった。
法廷は、独特の雰囲気がある。
日本と違い、北米には陪審員制度がある。特殊な地位(おもに公務員とか)にいない一般人が判決に参加する。これは、18歳以上の国民の義務らしい。こういう国では、みんな責任感が出てくるのではないかな。でも買収とか、汚いやり方には気をつけたい。

移民の国。いろんな国の人たちが「法」の下で共存をする。
祖国の外で「法律」は「お金」と同じくらい拠り所になるのだ。
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2005年11月18日

文化都市 トロント

僕がカナダに渡ったとき、ゼロから始めなければならなかった。

トロントという街を選んだのには理由があった。
北米では、ニューヨークに次ぐ演劇都市だからだ。
アメリカにブロードウェイがあるように・・・
ミュージカルが主流で、僕が住み始めたころは、
「Tommy」、「CAT'S」、「オペラ座の怪人」なんかやってたと思う。
ちなみに、僕のトロントでの舞台デビューもミュージカルだった。
最初は言葉に自信がなかったので、踊るだけでよかったミュージカルは都合が良かったのだ。

音楽では、ジャズも盛んだった。
ジャズ・クラブもたくさんあり、よく通った。
毎年、夏になるとジャズ・フェスティバルも開催される。
なにより、チャーリー・パーカーをはじめ、ディジー・ガレスピー、バド・パウエル、
チャーリー・ミンガス、マックス・ローチという巨人達の歴史的ジャズセッションが成功した
「マッセイ・ホール」は有名。
ちなみに陽気なカナダ人ピアニスト オスカー・ピーターソンはおすすめだ。
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2005年11月02日

ショービジネス入門

僕にとって「演劇」とは何だったのだろう。
一時期は、全生涯をかけて打ち込んでたと思う。
いつか語ることができればいいと思う。

さて。

もしもこれから自分たちで劇団、あるいはショーみたいなものを立ち上げようとしている人がいるなら少しは参考になるかもしれない。北米でやったやり方は、日本でも通用するはずだ。

@まずは、いろいろな活動に参加して知名度を作ろう。地道にやってれば、知らない間に経験や人脈は出来上がってくるものだ。

A知名度ができたら、今度は営業活動だ。まず大切なのは、親しい印刷所にスポンサーになってもらうことだ。これでパンフレット、チケット、チラシなんかに困ることはない。配布する資料にその会社の名前を入れなければならないけど。

B次に、刷り上ったその資料を使って本格的なスポンサーやタイアップ依頼に回る。うまくいけば資金や道具、食料なんかを提供してもらえる。

C同時にチケットも刷り上げて、劇場や映画館も訪問する。こっちのショーと向こうショーのチケットと交換してもらうためさ(ま、バーターってやつかな)。それとこちらのショーを公演する場所と日取りを確保するために。

Dそれらをやっている間にも、新聞や雑誌でスタッフやキャストの募集を忘れないでね。

E面接やリハーサルする場所もチケットで交渉しよう。

F今度は、メディア関係者にも宣伝をしておこう。交渉がまとまれば練習するスタッフたちにも気合を入れる効果ももたらす。自分たちがテレビに出ることになると思えば、みんなやる気になる。

ま、大切なのはショーの中身であることは言うまでもない。
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2005年10月27日

青春の旅立ち編

二十歳のとき、僕は大学を辞めてカナダに行かなければならなかった。
あまり模範的な学生ではなかったと思うけど、送別会を開いてもらった。
同じクラスの人たち、いろいろ教えてくれた先輩たち、そして教授たちも集まってくれた。
その後、町を離れる日まで親しい仲間の家で3日間くらい徹夜して、何か語り合った。
タバコも酒も切れて、破った辞書に紅茶の葉っぱを巻いて吸ったりした。(これはまずかった)いろんなヤツらが入れ替わり立ち代り、やってきては食料や酒を置いていった。
やがて大学院に進むヤツも、ジャーナリストを目指すヤツも、俳優を目指すヤツも、バンドやってるヤツも、映画をつくるヤツも、写真が好きなヤツも、サラリーマンのヤツもそれなりに自分の”人生観”やら”夢”をまじめな顔で語っていた。
みんな”何か”を探していた。男も女も、サークルでナンパや飲むことだけを楽しむスカしたヤツラでさえ、打算も儲けも無く自分の考えが正しいかどうか確かめたがった。
最後の日、僕は道端で号泣した。おそらく僕の一生の中で最初で最後であると思う。そのときは二度と日本に戻ってくるとは思えなかったからだ。(その後、今度はカナダで送別会を開いてもらったときはこらえることができた。免疫ができてたのだろうか?)
「青年は荒野をめざす」とは、本当だと思う。最近になって、やっとそんなことをふりかえれるようになった。
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2005年09月14日

テレビについて

僕がオンタリオ州トロントで学生だった頃、地元のCFMT というテレビ局でアシスタントをやったことがある。学校での専攻は国際貿易だったが、企業でインターン(ま、ただ働きの学生ボランティアだな)をして職務経験をつくらないと卒業できないといわれたからだ。専攻とはあまり関係なかったが、なんとか認めてもらえた。

知ってのとおり、カナダはとても寒い国だ。
冬は豪雪のため、すべての交通が止まることもある。そんなとき、じっと家の中ですごすのは退屈だろう。だから、面白いテレビは必要だ。と思った。

それまで僕は、ショービジネスの世界に曲がりなりにも関わってきて、どちらかというとテレビには反対だった。観客は自分が見たいものにお金を払って見に来るべきだと思っていた。
でもある公演の日、雪の中を劇場に来ていた足の弱そうな老人が転びながら歩いて帰るのを見て、ちょっと考えた。そして自分も道路で滑って転び、考えは確定した。テレビでもいいじゃないかと。

ちょうどその頃の日本では、キムタクの主演したテレビドラマの影響で、たくさんの子供たちがナイフを持ち歩くという社会現象が起こっていることも知った。
テレビは怖い。メディアを馬鹿にしてはいけない。ペンは剣よりも強いときもある。
ま、うまく使えばこれほど社会に役立つものもないってことだよね。

でも、ちびっ子諸君。
テレビの見すぎには気をつけよう。ママにしかられちゃうぜ。TV眼鏡
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2005年09月03日

つくりだす。

色々な分野の専門家が一時的に集まって
何かを創り出したり、調査をしたりするのはいい。

僕が北米のショービジネス形式で好きだったのは、
日本なんかのいわゆる「劇団」と呼ばれるものと違って、
公演をやるたびに新しいメンバーを集め、公演が終わると解散するかんじだ。
もちろん僕もすべてを見たわけではないので、もしかしたら、そうとは限らないかもしれないけど。

知らないもの同士だから最初はみんな遠慮がちだけど、
進み始めるとだんだん激しくぶつかり合うようになる。
何かを生み出すエネルギーだ。
そして目指す方向性が違う者はどんどん決別してゆく。
ま、このへんはどこも同じだろう。
参加するメンバーすべての主張がぶつかり、つぶしあい
だんだんと一つの形となっていく。それが「作品」だ。
あとは観客に投げかけるだけだ。好評だろうが、不評だろうが後は知らない。
とにかく僕らは、苦しい思いをして創ったからだ。

みんなで酒を飲んで終わりだ。
人によっては二度と合うことも無いかもしれないけれど握手して、
時には軽く手を上げるだけで別れる。
味気ない気もするけど、それがルールだった。

僕の青春だ。
posted by kazoo at 19:36| Comment(0) | TrackBack(0) | トロント時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月23日

Visa、

二十歳のとき、大学を中退してカナダに移民しようと思った。
理由はたくさんあったと言えるし、特になかったといえば言える。
結局、僕は日本に住んでいる。多分これからも。

1995年5月15日から1999年9月30日までカナダ・オンタリオ州から一歩も出なかった。
ただ、一度だけアメリカ・バッファローにある移民局に申請していたビザを取りに
ナイアガラの滝(アメリカとカナダの国境だ)を歩いてアメリカに渡った。

最初の1年は、ワーキングホリデービザだった。その後、半年の観光ビザを3回延長して、
その後、学生ビザを2回延長して、最後は、就労ビザ1年だった。
出国するときは、期限を何週間か過ぎてしまっており、ちょっと怒られた。
今は、カナダの移民法が変わって、外に出ないとビザは取得できないのではないかな。
その間、移民専門の弁護士に永住権を申請してもらっていた。

このビザというのはとても面倒くさい。
切れる期限が近づくと、いつも憂鬱になった。
そしていやでも自分は外国人なのだと自覚する。
ビザが届くまで、安心して眠ることもできなかった。
でもこの経験は、役所のシステムに慣れるには良かったと思うネ。
時には、たらいまわしにされるかもしれないけども、
大きな組織を管理する為には、仕方ないのかも。
posted by kazoo at 20:16| Comment(0) | TrackBack(0) | トロント時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

本1980年代に子供時代、1990年代に青春時代を過ごした。
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