三国時代、魏(Cao Wei)に仕えた司馬懿(Sima Yi)に、ちょっと哀愁を感じてしまう。
まず、そのスタート。
当時最強だった曹操(Cao Cao)に彼の能力の高さがバレてしまい、何度も出仕するように迫られた。はじめは仮病を使ったりして出仕を拒んでいたのだが、とうとう断り切れずにしかたなく部下となった。
その曹操から、背中を向けたまま顔だけこちらに向けるよう指示され、その様を「狼顧の相(lang gu)」と呼ばれた。つまり、狼は首を180度回転させることができるからだ。
a wolf turning its head 180 degrees to look behind
彼の軍人としての真骨頂は、その機動力だった。
孟達(Meng Da)の裏切りを予測して、宛から上庸までを最速で駆けた話は有名である。
だが、
"A dead Zhuge scares away a living Zhongda."
「死せる孔明、生ける仲達を走らす」
からも分かるように、いつも蜀の諸葛亮(Zhuge Liang)にかなわなかった人間として描かれてしまうんだけど、司馬懿自身もすごい才能を持っていた。にもかかわらず、決して自分を大きく見せようとせず、じっと耐えていける精神力も持っていた。
それから、もっとも彼に好感を覚えるのは、戦争中、ライバルだった諸葛亮が亡くなったため退却した蜀軍の陣跡を見て出たことば。
「諸葛亮は、天才だった・・・」